2009年7月28日
失神のマネジメント
大脳皮質全体、あるいは脳幹の血流が瞬間的に遮断されるような病態で失神は起こる。頻度としては殆どが循環器疾患である。脳血管障害、特にTIAによるものは非常に稀である。これは解剖学によって説明ができる。大脳皮質全体の血流を遮断するには脳を灌流する4本の血管(左右の内頚動脈と椎骨動脈)を同時に遮断しなければならない、これは非常に難しい。事実、多くの格闘技でいわゆる絞め技でも瞬時に相手を失神させることはできないことから明らかである。例外として脳底動脈が遮断された場合は失神を起こしえる。失神で特に危険なのは致死的不整脈、即ち心室細動や心室頻拍が一過性に起こった場合である。致死的不整脈による失神は本当に瞬時に起こるため受け身をとることができない。そのため顔面外傷などの合併をみたら念入りに心疾患を探さなければならない。失神の患者を診る場合は必ず失神の原因検索(大抵は不整脈が原因なのでまずは心電図、必要なら不整脈の原因となる心疾患を検索する)と外傷検索を同時に行うことである。特に頭部打撲ではネックカラーによる固定、必要ならばJATECプロトコールにて対処を行う。わずかながら存在する脳血管性の失神の場合は失神後、頭痛や麻痺などの症状が伴う場合が多い。このような神経学的異常や頭部外傷を認める場合は頭部CTも施行する価値はあるがルーチンとしては特に必要ではない。失神後痺れを訴える患者などでは非常に悩ましい。近年、脳ドック普及などのよって微小梗塞が数多く指摘されるようになり、それに伴い痺れを脳梗塞の前駆症状ととらえる人もいる。しかし基本的に痺れはほとんどの場合は脳血管障害と関係はないとされている。
重要な情報としては病歴に疼痛、悪心、下痢、吐血、下血、メレナなどがあるか、バイタルサインの動き、眼瞼結膜の貧血、頸動脈狭窄音、心雑音、直腸診による便潜血などがある。検査としては一般的な検査のほかにラピチェック、トロップT、D-ダイマーを測定することが望ましい。血液ガスにて代謝性アシドーシスがないということは痙攣との鑑別となる。
失神患者の予後
失神の患者は重篤な不整脈がある可能性があるので原則としては入院が必要である。但し、神経原性失神、起立性低血圧、飲酒時の失神、心因性失神と診断がついていればそのまま帰すことができる。またこれらの診断のみならば予後が変化することはない(見落としがなければ)。高齢者の場合は入念な精査が必要になる場合もあるので、入院を念頭に置いた方が無難だとされている。
失神患者の予後に関して興味深い多変量解析のデータがある。OESIL risk scoreと呼ばれるものであり、失神を起こした患者のリスク因子について述べている。それによると、65歳以上、既往歴で心疾患、前駆症状なし、心電図異常ありがそれぞれリスクとなり、その数によって生存率が分かれる。該当項目が0個ならば1年後死亡率0%、1個ならば0.8%、2個ならば19.6%、3個ならば34.7%、4個ならば57.1%となっている。
ウィキペディア(Wikipedia)』引用
失神することに血流が深くかかわっていることがよくわかりました。
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